IM の "Config" ファイルに case 文を記述すると imget や imput の挙動を変 化させられます。たとえば、Config が以下のように記述されていたとしましょ う。
Imget.Src=pop/apop:kazu@mail.mew.org User=kazu FromDomain=Mew.org case wide Imget.Src=pop/rpop:robby@mx.wide.ad.jp User=robby FromDomain=wide.ad.jp case iijlab Imget.Src=imap:kazu@mailbox.iijlab.net FromDomain=iijlab.net
通常では、imget は APOP を使って mail.mew.org から kazu のメッセージを読 み込みます。また、imput は送信されるメッセージに From: がない場合 (mew-from が nil の場合など)、ユーザ名である kazu と Mew.org を @ で連 結した文字列を From: に指定します。
もし --config=wide が指定されると、imget は RPOP を使って mx.wide.ad.jp から robby のメッセージを読み込みます。また、imput は From: に対し robby@wide.ad.jp を選ぶようになります。
このように imget や imput は、--config オプションで指定された文字列をも とに、有効な case 文を選択します。上の例から明らかですが、この機能を使う と読み込むメールボックスや送信時の From: を変更できて便利です。
Mew は起動時に Config の case 文を調べます。もし、1 種類以上の case があ る場合、`mew-config-list' に設定します。--config が指定されない場合 に読まれる部分は、default という文字列で表現されます。上の例では、 `mew-config-list' には、'("default" "wide" "iijlab") が設定されま す。
Summary モードで `C' を押すと、`mew-config-list' を補完の候補 として利用しながら、imget に渡す --config の値を選択できます。デフォルト では "default" です。もし他の値が設定されていた場合、たとえば "wide" が 設定されていた場合、`i' は次のように表示します。
Getting +inbox (wide)...
imput に case の選択を指示するには、送信するメッセージのヘッダ中の Config: フィールドで指定できます。Draft モードでは、See section ヘッダの補完 で説明 したように、Config: というフィールド名を `TAB' で補完できます。また、 `mew-config-list' の値を `TAB' で補完可能です。さらに、 `C-cTAB' を使えば、`mew-config-list' の値を循環的に補完できま す。
しかし、自分で値を選ぶのはめんどうです。Mew は整頓先のフォルダを推測する のだから、Config: の値も推測して欲しいと思うでしょう。もちろん、Mew は Config: の値を推測できます。Config: の推測ルールは、 `mew-config-guess-alist' に設定できます。書式は、See section 指定したルールから推測 で 説明した `mew-refile-guess-alist' と同じです。
1 つ例を挙げてみましょう。
(setq mew-config-guess-alist '(("To:" ("wide.ad.jp" . "wide") ("mew.org" . "mew"))))
この場合、To: が wide.ad.jp に合致すれば "Config: wide" を、mew.org にマッ チすれば "Config: mew" を挿入します。
この推測を利用して Config: を挿入できるタイミングは以下の 3 つです。
参考までに書きますが、ホスト名で Config を変更したい場合は、以下の行を ".emacs" に入れるとよいでしょう。
(setq mew-config-guess-alist (list (cons nil (system-name))))