ここでは、テキストである本文を PGP で署名したり暗号化したりする方法につ いて説明します。出てくるコマンドは以下の通りです。
メッセージを暗号化するには受信者の公開鍵を使用します。逆に署名するには自 分の秘密鍵を使います。よって、署名するためにはパスフレーズを入力する必要 があります。ただし、パスフレーズの保存機能を使っており、パスフレーズが保 存されている場合は、パスフレーズを入力する必要はありません (See section PGP/MIME を表示する)。
これらは、次節で説明するマークを使った PGP/MIME の作成方法の省略方法に当 たります。
Mew で PGP を使うためには、PGP の userid としてアドレスを選ぶ必要があり ます(例 "Kazuhiko Yamamoto <kazu@mew.org>")。
以降の説明では、次の例を取り上げます。
To: pooh Subject: PGP/MIME を使おうよ X-Mailer:Mew version 1.94 on XEmacs 20.4 ---- Mew がセキュリティ・マルチパートをサポートしました。 --かず
署名するには、`C-cC-s' と入力します。すると、次のメッセージが得られ ます。
To: winnie-the-pooh@100acre.woodwest.uk Subject: PGP/MIME =?iso-2022-jp?B?GyRCJHI7SCQqJCYkaBsoQg==?= X-Mailer:Mew version 1.94 on XEmacs 20.4 Mime-Version: 1.0 Content-Type: Multipart/Signed; protocol="application/pgp-signature"; micalg="pgp-md5"; boundary="--Security_Multipart(Sat_Nov_16_03:55:00_1996)--" Content-Transfer-Encoding: 7bit ----Security_Multipart(Sat_Nov_16_03:55:00_1996)-- Content-Type: Text/Plain; charset=iso-2022-jp Content-Transfer-Encoding: 7bit Mew がセキュリティ・マルチパートをサポートしました。 --かず ----Security_Multipart(Sat_Nov_16_03:55:00_1996)-- Content-Type: Application/Pgp-Signature Content-Transfer-Encoding: 7bit -----BEGIN PGP MESSAGE----- Version: 2.6.3i iQCVAwUAMoy8ig9kihyeT3RNAQHt7AQAySDg4n8pOp/YuLaAp68Un/YDtWS0FnOC 7EqHJd6fyViPBnZq8d+uGikA7kOBTz+8Kcv+hN6I7BrQVJGEzd0Y9yHHhXvZj++1 0D09vgWL5G/Zfk/JMnLBt/BZ1ppOhJPT/L5qi2abk+mBVMKxQe071lfFEfvjF1C2 8trTXm/bBz4= =TvAG -----END PGP MESSAGE----- ----Security_Multipart(Sat_Nov_16_03:55:00_1996)----
`C-cC-c' で送信して下さい。
暗号化するには、`C-cC-e' と入力して下さい。次のようになります。
To: winnie-the-pooh@100acre.woodwest.uk Subject: PGP/MIME =?iso-2022-jp?B?GyRCJHI7SCQqJCYkaBsoQg==?= X-Mailer:Mew version 1.94 on XEmacs 20.4 Mime-Version: 1.0 Content-Type: Multipart/Encrypted; protocol="application/pgp-encrypted"; boundary="--Security_Multipart(Sat_Nov_16_03:57:47_1996)--" Content-Transfer-Encoding: 7bit ----Security_Multipart(Sat_Nov_16_03:57:47_1996)-- Content-Type: Application/Pgp-Encrypted Content-Transfer-Encoding: 7bit Version: 1 ----Security_Multipart(Sat_Nov_16_03:57:47_1996)-- Content-Type: Application/Octet-Stream Content-Transfer-Encoding: 7bit -----BEGIN PGP MESSAGE----- Version: 2.6.3i hIwDD2SKHJ5PdE0BA/9gUkcQYVfT+3LrUmcgLkNepuOnDfjADHrWiNo10t4ijyf8 ODBpUBXoBdTg08eNLAWmRFhiJPmI+mxpF6cYFZXhr7gVpa0Qzp3Gr9nYvngRPKNK qUiQjA/ORR3c1TBawufB19jJ9RdU2f0BidhzOSbzsJh1LTgUZu/7Qyd02LxyEqYA AACbrV867PeoFyFc9MVfqTUR6Zw6kGBAlnVYjqQgBhuuyG79vbAbDJMhFiRpoRPf 0MqEewxRonwKOik/PoKnLrwFg77Cb5pxRqMiWPyECJnqtX7r7Wg1c8kqPD0VRjI9 GhHPiG/RmNbpbj/5g6zZri1YBCe8qxIS0QKa3YO7HRDcdBFARr22RaFGFtgdBQ6X cZB+qNeEaKXt3AneTWc= =djCr -----END PGP MESSAGE----- ----Security_Multipart(Sat_Nov_16_03:57:47_1996)----
`C-cC-c' で送信して下さい。このメッセージは、受信者の公開鍵に加えて、 自分の公開鍵でも暗号化されています。ですから、保存したメッセージを復号化 できます(例 `g' で +Backup に移動したとき)。
署名後暗号化するには、`C-cC-b' と入力します。暗号化後署名するには、 `C-cC-r' とタイプします。いずれの場合も、`C-cC-c' で送信して下 さい。
PGP で署名を施したり、暗号化したりしてメッセージを送ろうと思っていても、 うっかり忘れることがあります。そのため、メッセージを作成するコマンド `C-cC-m' に対し、必要に応じて PGP を起動させる機能があります。
作成するすべてのメッセージのプライバシを保護したいなら、 `mew-protect-privacy-always' を `t' にして、 `mew-protect-privacy-always-type' に利用したいサービスを設定します。
暗号化されたメッセージに対する返答メッセージのプライバシを保護したいなら、 `mew-protect-privacy-encrypted' を `t' にして、 `mew-protect-privacy-encrypted-type' に利用したいサービスを設定しま す。この設定は、暗号化されたメッセージへの返答する場合、上記のすべてのメー ルに対する設定よりも優先されます。
以下に利用できるサービスを示します。かっこ内はそれぞれのサービスを表すシ ンボルです。`C-cC-m' した際に利用されるサービスは、モードラインに表 示されます。
以下の例は、すべてのメールに対し `C-cC-m' で署名する設定です。
(setq mew-protect-privacy-always t) (setq mew-protect-privacy-always-type 'pgp-signature)
以下の例は、暗号化されたメッセージへの返答メッセージに対し、 `C-cC-m' で暗号化する設定です。
(setq mew-protect-privacy-encrypted t) (setq mew-protect-privacy-encrypted-type 'pgp-encryption)
Draft モードでは、`C-cC-pC-a' で `mew-protect-privacy-always'、 `C-cC-pC-e' で `mew-protect-privacy-encrypted' の値を反転でき ます。
Draft モードにおいて現在書いている草稿対してのみあらかじめサービスを指定 しておき、送信時にサービスを施すことを忘れないようにできます。現在の草稿 に対し `C-cC-m' で施されるサービスを指定するには、 `C-cC-pC-d' に続いて上記のサービスの 1 つを入力して下さい。